WOWOWのジャパンプレミアです。
日本未公開の映画の初放送企画。
アンダー・ウォー~地下道爆破計画~ | 映画 | WOWOWオンライン
アンダーウォーは邦題で、原題は「The war below」です。
WW1のソンムで劣勢に陥るイギリス軍。
局面打開のための奇策として、戦線の地下を掘り進んで敵塹壕線の下で爆破を仕掛けることを考えだします。そのために、イギリスに行ってトンネル掘削会社の専門スタッフをスカウトする所から始めます。
地上では延々と続く塹壕戦、地底では延々と続く掘削作業。
どこまでも画面は薄暗く、これぞかつての第一次世界大戦のイメージそのものという映画です。
なにせトンネルを掘っているだけの映画なのですが、一般歩兵に差別される軋轢、ガス突出による爆発事故など、それなりにいろいろなドラマはあります。
最初のトンネルが完成して爆破に成功、さぁ帰国だと盛り上がるのですが、成果を高く評価した司令部から次なるトンネルのオーダーが掛かります。前回より大幅に長い距離を掘り進む必要があり、とてもできそうな気がしない距離です。
「帰国したい」という彼女から手紙の返事が来なくなった若者を先頭に帰国するための列車に乗りに行く面々。ところが、待てど暮らせど列車は来ません。「もう一度、掘るか」と一人が言い出し、結局は全員が掘削現場に戻ります。
作業再開からしばらくして、問題の彼女からの手紙が届きます。親戚の別の男が帰還したので結婚することになり別れて欲しいというのです。
若者は塹壕を出てノーマンズランドへ彷徨い出て狙撃を受けて死亡します。
その後も作業は陰々欝々と続いていき、納期直前にラッシュしてなんとか間に合わせます。しかし、作業中断中の休憩に壁からかすかな音が聞こえるようになり、ドイツ側の掘削作業が接近していることが判ります。いざ爆破の当日に、ついにドイツのトンネルと繋がってしまい、ドイツ兵が侵入してきます。
そのため導線が切断されてしまい、それを接続し直すためにトンネル最奥部に一人が残らなければならなくなります。リーダーのウィリアムが残り、それでも予定時刻に爆破は決行されます。
最後はスカウトに行った直属上官であるヘルファイアが、奥さんと子供の所へ挨拶に行きます。定型文を読み上げようとして止めてしまい、子供に「お父さんは本当のヒーローだったよ」とだけ告げて去ります。
かなり良かったです。
もともと地底戦車好きなのですが、こうした地底掘削戦は、指輪物語の第2部でオーク側がヘルムズディープの下を掘っているのが印象的でした。
後は、「レッドクリスマス」で、ずばりモールでシャイアン空軍基地まで掘り抜くのがありましたか。
ちなみに、聞いたことのない話しでしたが、史実に基づいているとWOWOWでは紹介されています。下記のメシヌの戦いでの言及に当ります。
もう一回放送がありますので、是非。