☆カイメン 素敵なスッカスカ を読む

岩波科学ライブラリーです。

こういうのは、基本、馬場さんの所で見つけています。

『食虫植物 進化の迷宮をゆく』(福島健児):馬場秀和ブログ:SSブログ (ss-blog.jp)

で、AMAZONで買おうと思ったら、同じシリーズにカイメンがあったので、そちらを買いました(苦笑)

この人以来、密かにカイメンのファンなのです。

帯が奮っています。

そもそも動物なのか植物なのか、それとも群体生物なのか?

p2

カイメンは英語で sponge という。

p4

紀元前4世紀には既にアリストテレスがカイメンの尋常ならざる再生能力に興味を持っていた

p6

古くから人々の生活と共にあったカイメンは採集の歴史も長く、地中海の沿岸地域ではカイメン漁が盛んでもあった。

p8

カイメンは水中の小さな有機物を勝手に食べて勝手に育つので、小さく切ったカイメンをロープに繋いで海中に放置していれば勝手に大きくなる

p14

ドウケツエビは、体が小さい幼生の段階で、カイロウドウケツの中に侵入する。やがて隙間より大きくなり、二度と外に出られなくなる。興味深いことに、雌雄ペア、夫婦で引きこもる。

日本では古くから結婚の縁起物としてカイロウドウケツが贈られてきた。

p22

カイメンのスカスカ構造の正体は、体中にびっしりと張り巡らされた水路網で「水溝系」と呼ばれる。カイメンは水溝系に絶え間なく新鮮な海水を送り込み、水の中の酸素を利用して呼吸すると同時に、小さな有機物を漉しとって食べる。

p23

カイメンは動物

動物の大きな特徴は、他の生物に由来する有機物を摂取することと、多細胞性の著しい発達である。動かないカイメンもこれらの条件を満たす立派な動物なのである。

カイメンの襟細胞が襟鞭毛虫に良く似ている。違うのは(鞭毛虫が)水流を起こすのではなく泳ぐことである。

p36

極端な例を挙げると、カイメンを細胞レベルまで擂り潰しても死なず、ひとりでに細胞が再集合して、しまいにはまたカイメンの姿に戻る。

p46

最近になって、なんと1万年以上も生きていると推測される生物が見つかった。その動物こそガラス海綿の一種だ。

p56

感知した情報をいかにして全身に伝えるかと言う問題が立ちふさがる。

中略

しかし、じつのところ、血管や神経系は必ずしもシグナル伝達に必要ではない。ヒトでも、局所的な炎症に関連する情報など、全身に伝達する必要がない情報は傍分泌(パラクリン)とよばれる方法で、近くの細胞にだけ伝えられる。