〇あなたもSF作家になれるわけではないを読む

豊田有恒さんのSF業界エッセイです。

業界内部話しが実名で書かれています。

福島正実編集長って、とんでもない人だったのですね。まぁ、豊田さんの毒舌は割り引いて考える必要はあるでしょうが。それにしても悪名高い匿名座談会事件の話しを読むと、第一世代SF作家とSFマガジンの間の遺恨は本当に深いのだと思いました。

映像の時代で、SFアニメの脚本を書き飛ばしていた頃の話しが、いちばん安心して読めるでしょうか。この辺を読むと、手塚治虫先生って、スゴイ大人物だったのだなと思いました。福島編集長の話しの直後に出てくるので得をしている面はあるかも知れません。

同郷の先輩の高斎正さんと、同年代の平井和正は、非常に頻繁に登場します。読み終わる頃には、なんか自分もお二人と友達であるかのような錯覚に陥ります。

SFマガジンリーダーズストーリーの選者だった時代の話しも面白く読みました。ここらへんはリアルタイムな感じです。

翻訳家としての側面は忘れられかけた部分のような気がしますが、ポール・アンダースンとは波長が合ったのでしょうね。また、ここで登場する伊藤典夫さん、野田大元帥などの人物像にも共感を覚えます。

ここらへんから豊田先生の本をだいぶん読みましたが、「モンゴルの残光」は読みたいかなと思います。また、星新一さんの「できそこない博物館」を非常に読みたくなりました。

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