☆山椒魚戦争を読む

もともとは創元推理文庫版を買って読んだはずですが、ハヤカワ文庫版が出た時に入れ替えて購入したものです。その時に読んだのが最後だと思いますので24年ぶりでしょうか。

1935年、ズデーテン地方割譲直前のチェコスロバキアでチャペックが新聞連載して大いに話題になった長編です。

スマトラの西にあるタナ・マサという小島で見つかった生きた化石である山椒魚を、真珠貝を採る潜りとして使って大儲けに成功したヴァン・トフ船長。

この山椒魚真珠貝が採れる他の島にも移植してあちらこちらでぼろ儲けします。結果として絶滅寸前だった山椒魚は瞬く間に大増殖。さらに他の労働に使役する者も現れて、あれよあれよという間に世界中に広がり気が付けば世界総人口の20倍もの数になります。

山椒魚は本来敵対的ではないのですが、彼らを使って敵国を攻撃することを考えた者が現れて、あれよあれよと軍隊に組織化され武器を使うことを覚えます。

そしてついに、大増殖して住む場所がなくなった山椒魚は陸地を水没させて沿岸線を拡大することを思いつきます。

島国である大英帝国山椒魚と全面対決の姿勢で臨みますが、山椒魚の攻撃に全土が水没の危機に瀕します。

さて、この結末は???

山椒魚総統なる指導者が登場しますが、もちろんアドルフ・ヒトラーのパロディです。

ヒトラーと違ってイギリス征服にほぼほぼ成功してしまいます。

最後にはチェコスロバキアの故郷にも山椒魚が現れる所で、作者はどうやって山椒魚を退治して結末をつけるかを自問して終わります。

これを読んだ時に、再読しようと思ったはずなのですが、随分と経ちました。

bqsfgame.hatenablog.com

これの時にも思い出したのですが実現しませんでした。

bqsfgame.hatenablog.com