NHKスペシャルです。
筆者は碁打ちですが、近隣ジャンルとして将棋の情勢は気にはしています。
あの羽生善治も52才。既に無敵の王者ではなく一兵卒となっていますが、52歳にして挑戦者としてタイトル戦に挑むとは恐るべきです。
将棋界で50台で挑戦者になったのは、土居、大山、升田幸三に続いて4人目だそうです。
囲碁界では藤沢秀行が棋聖に就いたのが51歳の時でした。以後、6連覇と言う信じられない記録を残しています。
そう考えてみると、羽生が勝ったとしても異常事態とは言えないのです。
番組を見ていると、AI世代である藤井に対して羽生が人間時代の将棋指しとして戦っているという側面も見て取れました。遊びの部分、揺らぎの部分を大切にして指していきたいという主張です。また、評価値の高い手しか誰もが指さなくなってしまうことに対する警鐘も興味深かったです。取るに足らない手の中にあるかも知れない可能性を捨てきってしまうことに対する懸念です。
こうしたAI時代に対する警鐘は、囲碁にも通じるものがあると思って見ました。