SFマガジン2024/12月号を読む

 図書館です。

 ラテンアメリカSF特集と聞いて買おうかどうかと思いましたがタイミングを逸しました。先般の「プリースト追悼特集号」で、SFマガジンを借りるノウハウができたので、借り出してきました。

 全体を通して、結局、特集の2編と、読み切りの中国SF2編の合計4編しか読まなかったので、図書館で正解だったと思います。これからも図書館で借りればいいかなぁ‥と終活に入った者としては思います。

☆ぺラルゴニア

 シオドラ・ゴス。どこかで聞いた名前だと思ったらこちらの方。

bqsfgame.hatenablog.com

 ハンガリー在住のアメリカ人だそうですから、ラテンアメリカとは関係ありません。面白い短編ですが、看板に偽りあり!

 学生たちが架空の国ペラルゴニアに関するウィキペディアを整備し、その原典となる人類学ジャーナルの論文を用意したら、いつの間にか、この国が実在するようになってしまったという奇譚です。

 ウィキペディアを編集するという所が個人的には琴線に触れました。でも、実際にこれをやろうとすると、ウィキから引用を求められるのですよね。なので、原典となる論文も捏造するという。リアリティあります。

〇うつし世を逃れ

 ガブリエラ・ミラベーテ。英国SF作家協会賞ノミネートだそうですが、ご本人はメキシコ人。ああ、ラテンアメリカですね。

 メキシコにおける異端審問の報告書という建付けで、インディアン女性修道院で異端の蓄音機を作ろうとした修習修道女の話しをする奇譚です。

 修道院内の女性同士の人間関係描写が手厚くて、ちょっと独特な雰囲気です。もっと長くても良いのにと強く思いました。

☆輪廻の車輪

 韓松のショートショート

言ってしまえば典型的なフェッセンデンの宇宙もの。

 ドラえもんにも扱われたことのあるネタですから、今更の感があります。読めば怖いのは確かですが‥。

〇時間移民

 近日発売予定の短編集の表題作の先行掲載。

 人口爆発対策として8000万人を冷凍睡眠で120年後に送るプロジェクトですが、その行った先は戦争中の暗黒の未来。そこで、再度、コールドスリープに入って600年後に。

 そこも別の問題があって、さらに1000年。

 そうして行きついた先は?‥という三回噺です。

 いつもながら達者で危なげないのですが、「人間不信が強い」感じは否めません。

コミケへの聖歌

 ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作の冒頭部掲載です。

 ポストアポカリプス部活SFとは、言い得て妙です。

 どういう破局があったのかは、この冒頭部だけでは詳述されませんが、ともかく東京は廃墟になっており、新潟県の過疎村落で生き残った主人公たちは、幸いにして往年のマンガを読んで部活動をして暮らせるようになっています。この漫画部メンバーで、コミケに参加しようという話しが盛り上がって東京まで廃墟を抜けて旅しようという話しが盛り上がる所までです。

 非常に軽快なタッチで、愛らしい登場人物たちを魅力的に描いており、これは全編を読みたいと思わせます。

〇羊式型人間模擬機

 同じく冒頭部掲載。

 神林先生のイチオシだそうですが、男性が死ぬ時には羊に変身するという奇妙な世界設定です。胃が勝手に旅をして別のフロアに行ってしまう話でコンテストを受賞した神林先生が好きそうなタイプではあります。

 これも全編を読んでみたいと思わせるので、早速ですがAMAZONでポチりました。近日到来予定。