これで4つともプレイした訳だが、4つの中では万里の長城がいちばん高く評価できると思った。
拡張キットと言うものの使命として、オリジナルに飽きてきて輝きが失われてきた時に、その輝きを取り戻す新しい魅力を持ち込んでいるかどうかというのがあると思う。
その意味で、北方民族の侵入と対策を持ち込んだ「万里の長城」と、トロイ戦争の進行とそれへの両陣営への支援を持ち込んだ「トロイ戦争」の二つは秀逸だと思う。
ただし、「トロイ戦争」は若干寸が長すぎる嫌いがあり、実際にプレイしたときのスムーズな進行という点で「クフ王のピラミッド」に劣ると思う。もう一つあるのは、「万里の長城」と「トロイ戦争」は偶数人数でしかできないため、事実上4人限定に近いという難点がある。その意味で3、5人でも遊べる「クフ王のピラミッド」の意義はあると思う。
「アレクサンドロス大王」は、大王から提供されるランダムな資源という部分がカタンの根底にあるジレンマを破壊してしまっており問題があると感じられた。4作の中ではこれだけが不合格点だと思う。全般に「歴史シナリオ2」のセットの方が後発だけあって、「拡張キットとしてオリジナルに何を魅力として付与するか」という思想がはっきりしている分だけ出来が良いように思う。BGGにもどちらか1つだけ買うなら2だろうというコメントがあったかと思うが、なるほどその通りだと思った。