レイテ湾強襲をソロプレイ

bqsfgame2008-09-25

義経」と「秀吉頂上決戦」の間の24号の付録ゲーム。
本作は比較的オーソドックスなエリアインパルス+カードドリブンゲームと言ってよく、デック構築要素などはない。しかし、強烈なのは、エリアインパルスでは見たことがない陸海空の三軍統合作戦だと言うことだ。にも関わらずルールの分量は少なく、戦闘方式も全部共通化されていてスッキリとしたデザインだと言える。
エリアインパルスシステムの特徴は、1ターンに各ユニットは1アクションしかできず、移動だけ、もしくは戦闘だけしかできない。他のウォーゲームで当然のように1ターンに移動して戦闘できるのとは、かなり異質だ。また、数日前にも書いた通り、これに加えて先にアクションすると攻撃に対して脆弱になるので、可能なら先に相手に動いて欲しい。そうすると互いにパスして手番を待ってしまってゲームが成立しなくなるので、シチュエーションとして一方に時間制限までに攻撃目標を設定して行動を強制するようなことが多い。結果として本家では、アルンヘム、スターリングラード、ノルマンディー、カッシノと言うような一方が強力な攻撃側として目標を時間内に奪取するシチュエーションが並ぶことになる。
その意味では「義経」も源氏に、「山崎」も秀吉に、攻撃のノルマがあるシチュエーションだと言える。
逆に言えば、その枠組さえあれば、別に陸戦でなくてもいいのではないか‥という発想の転換が本作の勝利ではないかと言う気がする。レイテ湾強襲では、圧倒的な物量を背景にフィリピンを一気に制圧しようと言うアメリカ軍というシチュエーションがあり、これがエリアインパルスに利用できるという訳だ。
さて、アメリカ軍の目標は良いとして日本軍側は目標阻止に努力する。そのときに、このシチュエーションでは大きく二つの作戦がある。一つは上陸時の水際で叩くという方法。レイテ湾に集結するアメリカ上陸部隊を水上部隊で直接攻撃するということも可能だ。もう一つはルソン島に兵力を分散して待ち受け長期持久戦(相対的な表現に過ぎないが)を展開するというものだ。
ただ、ランダムドローカードドリブンなので、両軍ともプレイヤーの思惑はあれど手札次第では思ったようには行かないことも多い。相手の手札の悩みを見抜いて仕掛けるというようなこともあり、ここらへんはオーソドックスなカードドリブンに近いプレイテイストかも知れない。こうなるとカードドローの秘匿性が生きてくるのでソロプレイには向かないのかな‥という結論に。
ソロプレイした印象としては、特に日本軍の方が意思決定が難しく、全体の意思決定にそぐわないカードをどう捌くかが難しい印象を受けた。