2008年下半期の成果を振り返ると、
●非ウォーゲーム
1:1800
なんと言っても1800だろう。
2時間でプレイできて、18xxの醍醐味の全てをカバーしているという、ここ数年捜し求めてきたゲームの理想が此処に結実していると思う。二人専用というのはプレイ時間を考えれば止むを得ないところだろう。
2:ドミニオン
1800さえなければ圧倒的にドミニオンだったのだが。
トレーディングカードゲーム的な要素を含んだユーロゲームは、少なからず登場してきたが、本作はスマートなシステムと、豊富なリプレイアビリティ、トレカ的なコンボやデック設計思想の面白さを併せ持ち、それでいて敷居も意外なほどに低く、世紀の傑作と言って良い出来栄えではないかと思う。
3:ギャラクシートラッカー
リアルタイムアクションゲームのような宇宙船設計を同時に展開するプレイ感は、極めて斬新だった。その設計の成否を問う航海部分は長すぎず手頃でプレイアビリティも素晴らしい。拡張キットが予告されているのが気になるところだ。
4:ウェルスオブネイション
これは敷居が少々高い印象があり、経験値の差も出やすいので、今後もう一度遊ぶ機会がまた巡ってくるかどうかは微妙なところだと思っている。しかし、ゲームデザイン的には評価できる部分を持っている佳作だという印象を持ったので忘れないように挙げておきたい。
●ウォーゲーム
1:戦争に非ず殺人なり
ATO誌は初めて購入したのだが、内容の手堅さには非常に感銘を受けた。S&Tより後発なので、レアテーマ嗜好にならざるを得ず、勢いマニアックな雑誌かと思っていた。ところが案に相違してプレイしやすい難度とプレイ時間で、読みやすく明確度の高いルールブックと併せてコンスタントに水準以上のように思える。デベロッパーで編集者でもあるロールボーの才能の結露か。
2:ベリサリウス
久しぶりにミランダ編集長の傑作ゲームをプレイしたと言う印象がある。シチュエーションの上手な切り出しもあって、非常に面白いゲームだと思う。ただ、同じシステムのカーンが全然ダメなので、ゲームはシステムではなくて、シチュエーションや、切り出し方の方が重要なのだなと改めて痛感させられる。
3:ライトニング:ミッドウェイ
ライトニングシリーズは3つプレイしてみたが、圧倒的にミッドウェイの出来栄えが良いと思った。プレイアブルでありながら、空母戦らしいデシジョンメイキングの重要なデザインが光っている。北アフリカは着想は面白いが、カードゲームにしてはプレイ時間が長くなりすぎており、しかもドロー誘発傾向が見えるのでいただけない。ポーランドは、簡易版ミッドウェイみたいなのだが、ミッドウェイほどカードバランスが良くない気がする。