○巨人たちの星を読む

bqsfgame2012-07-08

ガニメアン三部作の最後まで来ました。
長年、本棚に積読になっていた大作が片付いてくれて嬉しいです。ネアンデルタールパララックスに続いて大物が消化できた訳で、ホッとしました。
ただ、ネアンデルタールが三部作がずっと同じ水準だったのと比較すると、ガニメアン三部作は一作ごとに水準が下がったように思います。
特に本巻は顕著で、一作目のサイエンスミステリーのテイストは大幅に後退しました。代わって、ソヴィエト対アメリカ、地球人対ジェブリン人と言う陰謀術策の展開がクローズアップします。これが、後年のプロテウスオペレーションのようなアクション色の強い作品へと繋がっているのかと思いました。
抜群のアイデアで構成されていた星を継ぐものですが、この水準のアイデアを量産できる訳もなく、職業作家としてやっていくにはもっと安定生産できるものにポジションを移動しなければならなかったと言うことでしょうか。
理解はできるけれども、残念なことではあります。