羽根直樹九段です。
NHK杯の解説に出てこられて、非常に判りやすい良い解説だったので執筆書を調べてみたら、このシリーズの評判が高い。
そこで、先ず一冊と思い、こちらを読んでみました(ヤフオク)。
死活とヨセで組み合せて一冊と言うのは珍しいです。
シリーズ全体として囲碁の主要トピックをすべてカバーしようという中で、ボリュームの少ないヨセを、死活の後ろにセットした感じ。
級位者が勝てるようになる最短距離を指向した書きぶりで、その目的に沿って非常に良く出来ていると思いました。
死活について
1:しっかりと封鎖する
2:外から狭める
それで取れなければ諦める。という指針が示されていてなるほどと思いました。
急所に先に置きに行くと持ちこみになるリスクや、封鎖不十分で取りに行くと暴れられて自身の弱い部分を突破されるリスクが高まるので薦めないというのです。
一理も二理もあります。
しかし、「それで取れなければ諦める」とは思い切ったことを言うものです。級位者が無理に取りに行くのは「取ろう取ろうは取られの元」とは良く言ったものですが、ここまで割り切った打ち方を薦めるのは初めて見ました。
ヨセについても
1:ヨセに入るタイミングを見極める
2:2線の境界線に注目する
と非常にシンプルな打ち方を薦めます。
で、2線の先手、1線の先手、2線の後手の優先順位で打てば良いと説き、複雑な計算には立ち入りません。
これは実戦で早く勝ちたい人には非常に現実的な棋書だと思いました。
他も読んでみても良いかなと思いました(未定)。