我孫子・寿寄席に行く(9月)

万障繰り合わせの上、今月も行ってまいりました。

個人的には落語協会で唯一の女性・紙切り師だという林家花さんの芸を生で見ることが主眼でした。
折角なので最前列で見ていたのですが、切り始めてすぐに、「ちょっと近すぎますかしらね」と距離を取られてしまいました。それでも鋏の動き、紙の動きが良く見えて、あれよあれよと難解なお題の切り紙が仕上がっていくのを良くみることができました。
紙切りはテクニカルな芸だと思っていたのですが、実際に見ると案に相違して客いじりの話芸なのだということが判りました。いやテクニックがなくてできるものではないのですが。

紙切りで似顔絵を描きますからどなたか前に出て五分ほど息を止めていてください」と言うのは人を食った言い回し。
それを踏まえてトリの雷門小助六師匠が「わたしの落語ではお客さんを前に引っ張り出したり罵倒したりしませんから安心して最後までくつろいでお聞きください」と言うのも気が利いています。
助六師匠のトリの演目は、古典落語の「御神酒徳利」でした。
どういう話しかは、こちらに詳しく載っています。
http://ginjo.fc2web.com/96omikidokkuri/omiki_d.htm
典型的な三題話しなのですが、ソロバン占いという奇妙な占いをしてみせるのがなんでなのかはオチてみて、なるほどと手を打ちます。そうか、そういうことなんですね。
前座は立川雪路さんでした。紙切りで教壇を使うのですが、それをえっちらおっちら運ぶ姿が可愛かったです。