☆終末期の赤い地球を読む

 日記を検索したら、実に16年ぶりの再読でした。

 間にヴァンス追悼特集があって、本書が実はデビュー前の没原稿の寄せ集めであるという驚愕の事実が明らかになりました。

 現在では本書がヴァンスの第1長編として認識されていますので、処女作であるということは正しく認識されていることになります。

 読み始めてすぐに「ゼラズニイみたい(主として影のジャックとの類似)」と思いました。本書では章ごとに主人公が入れ替わっていき、どれも一癖も二癖もある連中です。

 しかし、視点人物にならないものでも、こいつは面白そうというのがゴロゴロいます。

p9

 若返りの秘宝でいっぱい喰わしてやったカイーンの金髪太守カンディーヴか、

 

 ちなみにカンディーヴの甥が最終章の主役、求道者ガイアルです。

 

p16

 その旗がしらは大降霊述師ファンダールであった。ファンダールはみずから百種の呪文を公式化した。

p18

 「塩だって? だめだめ、無宿者のライアーンがおかしらダンダンフロアーズの塩を一族みんなに配ってくれるのさ」

 

 ライアーンは4章の主人公ですが、ダンダンフロアーズに関する記述は上記の1行だけで4章にはありません。

 

p22

 淫魔スランのねぐらは岩のくぼみで、うず高い草と皮の臭い山が寝床がわりになっていた。

 

p31

 かつて宇宙を捏ねまわし形づくった魔法に通じたパンドリュームという者がおる‥」

 

 パンドリュームは何度か言及される大魔術師ですが、本格的には登場してきません。

 

p64

 名高い大虐殺のとき服者ゴリッカン・コデックはグッヴァサンとバウチックの二つの大都市の住民を一堂に集め円内に押し込み、ぎゅうぎゅうづめにして人間ピラミッドにしてしまったのだ。

 

p72

「ぼくの名か? エタールだ」

 

p92

リースという金髪の魔女がサンバー草原に住みついた。それはそれは美人だよ」

 

p104

 すると、その裏側に情無用のチャンがいた。

 

p140

「われこそは、ロゴル・ドームドンフォルス。アムプリダトビア最後の族長なり」

 

p201

「やつはックダックといい、悪魔の国イェルドレッドの支配者たる魔神なのだ」