もしも徳川家康が総理大臣になったらを見る

 映画館。

 昨年末に亡くなった母の新盆で、初めて菩提寺の施餓鬼会に参加してきました。一日休暇を取ったので実家の近くの映画館で朝一番を見てきました。

 結論として言えば、すごく面白かったです。

 キャスティングも非常に冴えていたと思います。徳川家康野村萬斎豊臣秀吉竹中直人織田信長にはなんとGACKT様です。

 主演は現代代表としてテレビ局の政治部に配属されて、アナウンス部転属のためにスクープを追い求める浜辺美波

 浜辺とタッグを組んで隠された陰謀と戦う坂本龍馬には、赤埜英二。

 あとキャストロールを見るまで分からなかったのが、紫式部役の観月ありさと、聖徳太子役の長井短長井短は、「新宿野戦病院」のエピソードゲストで見たばかりなのに判りませんでした。

 観月ありさは、連ドラの女王だったころには毎年なにかしらで見ていたのですが、最近はあまり見かけません。個人的には「恋愛漫画家」のエピソードゲストが最新でしょうか。それも3年前に入院中に見たくらい。もう「ナースのお仕事」はないんでしょうね。

 キャスティングから見て、こういう映画の悪役と言えば伊武雅刀竹中直人と言うのは見えてしまいます。しかし、今回は意外に設定がSFしていてAIでしかない秀吉を内閣に仕込んだのは、酒向芳というネタでした。酒向も「リコカツ」以降、非常に良く見る売れっ子バイプレイヤーとなりましたが、娯楽大作の黒幕とは出世したものです。

 あと徳川綱吉徳川吉宗が登場して将軍三代揃い踏みなのには笑ってしまいました。パンフレットを読むと、吉宗役の高島兄は時代劇経験の薄いキャストにアドヴァイスする影座長だったそうです。

 あと徳川系と言えば、ロックダウン下のロックダウン違反を取り締まるのに新選組が登場して山本耕史の土方副長が出てきて「御用改めでござる」と言うのには場内爆笑でした。

 戦国組では、秀吉の右腕として石田三成が登場、これを最近絶好調の音尾琢真が演じていたのもキャスティングの勝利と思いました。

 キャスティングが面白すぎるのですが、ストーリー自体もなかなかに骨太で、コロナ体制下を題材にして社会の在り方を問うシリアスなメッセージ性が光りました。

 もう一度、劇場で見てもよいかと思うくらいの満足度でした。

 そんな映画の主演を務めた浜辺ですが、「爛漫」、「ゴジラ-1.0」と来て、本作で東宝の看板女優に仕上がった印象を受けました。長澤まさみという脂の乗り切った先輩がいるにも関わらず、浜辺も東宝を背負えるくらいの存在になり、東宝芸能としてはうれしい悲鳴でしょう。この二人が突出しているので、山崎紘菜とか、福本莉子とか、それぞれに活躍しているのに目立つことができません。