○子供たちの午後を読む

bqsfgame2009-04-24

案に相違して、最近、読んだ2冊のラファティの長編よりも面白くなかった。
ラファティは、意外に長編なのかも知れない‥などと言うと、朝令暮改のそしりを免れないかもしれないが。
ラファティがインタビューでお気に入りと言っている3編を収録した日本オリジナル短編集。発売当時は青心社さんに足を向けて寝られないと思ったものだ。
「子供たちの午後」は、神のごときスーパーエイリアンが地球に訪れて好き勝手をした結果が人類の激動の歴史だという話し。「地球礁」を思わせるような設定だが、短すぎるためか子供たちの魅力が伝わってこない。
「究極の被造物」は、全宇宙に6人しかいないと言う美女の一人の物語。ラファティらしい典型的なトールテールだが、これもいかんせん短すぎる気がする。
「この世で一番いまわしい世界」は、地球に流刑となった知性優れるヘビ状エイリアンの物語。これは面白い。しかし、優れた生命体が必ずしも原始的な世界でサバイバルできるとは限らないのはラファティ作品では常なるところ。
此処までがラファティ本人のお気に入りだそうだが、個人的には「氷河来たる」が一番気に入った。アッという間に予想より一日だけ早く氷河期が来てしまうというお話し。