プロジェクトX:小惑星探査機はやぶさ 奇跡の地球帰還を見る

 この日の朝に、「淡路大橋」の再放送を見ましたが、やはりスゴイ。

 で、満を持して夜のはやぶさ探査機も見ました。

 プロジェクトXで目立つのは、やはり土木建築テーマです。

 宇宙開発は初めてではないかと思います。本作冒頭でも言われますが、日本のJAXAのレベルは、アメリカのNASAから見て大人と子供なので、日本の宇宙開発の成功事例はそもそも見つけるのが難しいのです。

 そんな状況下にあって、NASAに共同研究を持ちかけながら打ち切られたJAXAの川口が、「それなら我々はサンプルリターンをやります!」と啖呵を切った所から話しは始まります。

 まず、長期間の往復に耐えられるエンジンの開発。

 無事に打ち上げて、小惑星イトカワへの到着。しかし、サンプル採取のための着陸で姿勢を乱してしまい、ソーラーパネルが受光できなくなり電源途絶して3億kmの彼方でロストします。

 普通に考えてミッション失敗として諦めざるを得ないと思いますが、川口はランダム運動しているが故に、どこかのタイミングでソーラーパネルが太陽光を再びとらえて電源復旧する可能性あるとメンバーを鼓舞して、はやぶさからの信号復帰を祈ります。

 その、まさかの信号復帰を捉えて沸き立つ管制室。

 限定的な信号容量の中で状況を一つずつ確認し、一つずつ問題を解決していく作業を繰返し、ついにはやぶさは再び地球への帰路につくことになります。

 しかし、帰還まであと半年と言う所で、最初から懸念されていたエンジンの耐久性の問題が発生。

 イオンエンジンは、プラスイオンを噴出するメインスラスターと、これにマイナスイオンを合流させるサブスラスターの組合せで動いています。この組み合わせが4セットあるのですが、エンジン開発担当の國中は、本来のセットでなくとも動いているメインとサブがあればそれを交差同調させて動かせるような回路を仕込んでいたと言うのです。もともと國中は耐久試験の実績時間表示シールに宇宙戦艦ヤマトの波動エンジンのシールを使っていたほどのヤマトファンであり、まさに困ったときの真田技師長ばりの裏技の登場です。

 よもやと言う必殺技の登場で息を吹き返したはやぶさは無事にオーストラリア上空で燃え尽きてサンプルカプセルを送り返して物語は終わります。

 この一連の顛末は、3つの映画を生み出しましたので、概略は知っていましたが、技術的な細部については初めて知ることも多く、非常に堪能しました。