2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ショートゲームレビュー:チェインソーウォリアー

「チェインソーウォリアー」は、ゲームズワークショップ社を代表していたゲームの一つです。 ニューヨークのマンハッタンの一角に突如として異次元空間とのワープホールが開いてしまい、そこから溢れ出て来たゾンビーやミュータントに市の一画が支配されてし…

☆未来エネルギー社会をひらくキャパシタを読む

初めて勉強する分野なのだが、本書はわかりやすくて、それでいてしっかり書いてある印象を受ける良書だった。 キャパシタとはなにか?‥から始まって、なにに使えるのか?、キャパシタの材料、新しいキャパシタと進んでいく。 キャパシタは、電気的なフライホ…

オメガウォーをソロプレイする

昨日書いた通り、シークエンスの非対称性が、両軍の戦術思想を支配する作りになっているあたり、戦闘ユニットによる機動と戦闘のタイミングの妙味で展開する面白そうなウォーゲームに聞こえます。ところが、実際にプレイすると、そういう印象は受けません。 …

ショートゲームレビュー:オメガウォー

アルマゲドン2121年。 十日の間に11、000発の核弾頭が北半球で爆発したと言われている。 2122年のリオデジャネイロ会議では、96の参加国が条約に調停した。国際連合のみが、今後は核兵器を保有する権利を持つこととし、核戦争に責任のある諸…

英文ゲームレビュー:銀河大戦記

なんでまた銀河大戦記にしたかと言うと、BGGにこのゲームのエントリーを作ったのはわたしなのだが、しばらくしてポルトガルの方から「どんなゲームなのかもっと知りたい」というリクエストをもらっていたから。当時は、ちゃんとしたレビューの分量の英語…

ゲームレビュー:銀河大戦記

毎月一つくらいずつと思っていたが、2月は忙しくなりそうで見通しが立たない。 ということで余力のある今月の内にもう一つ英文ゲームレビューをやっておくことにした。■■■1:ゲームタイトル 銀河大戦記 Victory in the Galaxy / Tactics 2:ゲーム出版社 …

ブラッディビジネス:フエを入手

ヴェトナム戦争の1968年のHUEの戦い。 この戦いは、かつてジョン・ヒルが「コンフリクト」誌の付録ゲームとしてデザインしたことがある。この作品は非常に評判が良く、メイフェアゲームズはボックスゲームとしても発売した。ヴェトナム戦争だから、現…

抵抗は無益に非ずを入手

ワルシャワ蜂起と言うと、ジョン・プラドスがデザインしたS&T107号(1986)のソビエト軍接近に伴う1944年8月のの市民軍蜂起が有名ではないかと思う。 本作は、そちらではなく、1943年4月のユダヤ人ゲットーでの蜂起を扱っている。 ナチ…

もう一回、グラントテイクスコマンド(COA)を入手

COAのゲーム雑誌「The Art of War」の23/24合併号の綴じ込み付録である。別に二個目を買ったのではなく、話題にするのが二回目というだけ。同社の南北戦争シリーズの「オータムオブグローリー」と「リーテイクスコマンド」用の拡張キットになってい…

リーテイクスコマンドを入手

「オータムオブグローリー」に続いて、「リーテイクスコマンド」を入手した。 同じシリーズのゲームで、こちらは東部戦線初期の半島戦役の七日間戦争を題材にしている。 箱絵がボビー・リーだけクローズアップと言うのが、アメリカでの将軍の評価を表している…

英文ゲームレビュー:バルバロッサキャンペーン

でもって英語の原稿。 BGGに投稿したところ、無事にアプルーバルが得られて公開になり、そちらでも同じものが読めるようになりました。英語版が出て、世界のウォーゲーマーにプレイされて評価を受けるようになると、入手もしやすくなるし良いのですが‥(^o…

ゲームレビュー:バルバロッサキャンペーン

バルバロッサキャンペーンの対戦が非常に面白かったので、思い切ってこの国産ゲームの面白さを英語でパブリッシュしてみようかと奮起することにした。ひとまず日本語の下原稿。 ■■■ 1:ゲームタイトル バルバロッサキャンペーン 2:ゲーム出版社 ゲームジ…

バルバロッサキャンペーンを対戦プレイする

TSさんと、平日の夜に新宿にて対戦。 三時間ほど掛けて第7ターンまでプレイして戦況判定して終了した。 ドイツ軍側を持ってプレイしたのだが、率直に言ってデザイナーズノートにもある通り、本ゲームはドイツ軍にとってのチャレンジのゲームなのだと思う…

水曜日の会:41を教えてもらう

「41」という名前のトランプゲームは複数存在するようだが、これはペア対戦の4人用トリックテイキングゲーム。 面白いのはペア対戦だが、スコアは個人で計算され、誰か一人が41点になると、その陣営が勝利する。合計で相手ペアが上回っていようが、ペア…

水曜日の会:パリティを教えてもらう

ヤニブが終って今度はトリックテイキングに移行。 まずは肩慣らしにパリティ。その昔にも草葉師匠から教わったことがあるが、あまりに久しぶりでまた一から教わり直し。 基本は、奇数トリック数だと取得したトリック数がマイナス点、偶数トリック数だとプラ…

水曜日の会:ヤニブを教えてもらう

水曜日の会に夕方から少し寄ってきた。新年のご挨拶くらいの感じだろうか。 カナスタをやりたいね‥という話しをしていたのだが、メンバーの集まるタイミングの都合もあって行ったところで丁度ヤニブが始まると言うので入った。草場師匠にトランプゲームを教…

南北戦争:パトリック・クリバーン

南軍側でチカマウガ戦で重要な将軍の二人目を挙げるとすれば、一般的にはロングストリートであろう。しかし、彼はブラッグと折り合いが悪かったことから、チャタヌーガ戦ではノックスビル方面に転戦させられており、後半戦に登場しない。 クリバーンは、トー…

南北戦争:ジョージ・トーマス

南北戦争の北軍の将軍の中でベストはという投票がBGGで実施されたことがあり、実はダントツのグラントから大きく引き離されてはいたものの2位はトーマスだった。ちなみにシャーマンが3位である。 これまで将軍の評価には上司との折り合いが大きく影響し…

南北戦争:ブラグストン・ブラッグ

非常に評判の悪い将軍の一人であるブラッグだが、実は彼もローズクランズと同様にウェストポイントを5位で卒業しており成績自体は優秀な部類だった。 ブラッグについては、近年はブラッグの失敗をブラッグ一人の責任にするのは妥当ではないのではないかとい…

南北戦争:ウィリアム・ローズクランズ

ローズクランズは、それほど著名な将軍とは言えないし、上司であるリンカーンやグラントの評価が低かったようで、そのことが無名さに拍車を掛けている。 彼はウェストポイントを5位で卒業しており、実は南北戦争で士官候補生が払底していた状況下にあっては…

グラントテイクスコマンド(COA)を入手

情報が過疎でたいへんな回り道をして探してしまった。 COAのゲーム雑誌「The Art of War」の23/24合併号の綴じ込み付録である。 同社の南北戦争シリーズの「オータムオブグローリー」と「リーテイクスコマンド」用の拡張キットになっている。 「オー…

オータムオブグローリー(COA)を入手

COAの南北戦争のシリーズは、同社のナポレオニックでの実績などからすると、もう一つ評価が盛り上がっていない印象を受ける。 とは言え、このオータムオブグローリーを初めとする一連の作戦級のシリーズは、会戦級と戦役級のラインナップが豊富な南北戦争…

南北戦争:いま一度グラントの評価

一連の記述の中でグラント将軍に対して厳しい書き方をしてきた。しかし、「戦争に非ず殺人なり」をプレイすると、グラントが戦略的任務の遂行に必要な厳しい決断を責任をもってしたのではないかという感銘を受けるようになる。 劣勢とは言いながら質的に優れ…

南北戦争:戦争に非ず殺人なりの評価

たいへん長くなってしまったが、延々と書いてきたことは、全て「戦争に非ず殺人なり」というゲームをたかさわさんとプレイしたことからインスパイアされている。 「戦争に非ず殺人なり」というゲームを、南北戦争の史実に明るく、その機動戦の可能性を追求し…

グラントの評価

前述してきた話しを踏まえると、グラントの評価と言うのも修整を必要とするであろう。 グラントは西部戦線での重要な勝利に寄与し、リンカーンがそれを正当に評価して重要なポジションに引き上げ、東部戦線で難敵ボビー・リーを相手に前任者たちにはなかった…

総力戦への予兆

上述のように戦術の変化があり、それを利用した現場司令官が成果を上げつつあったにも関わらず、それを理解できなかったリンカーンが将軍人事をしていた北軍だが、結局のところ戦争には無事に勝利することができた。 それは、塹壕戦のさらに先にある総力戦に…

北軍の成功事例

上記の考えに立って北軍の勝利事例を見ると、半島戦役の最後にマルヴァーンヒルでマクレランが南軍の追撃を跳ね返した戦闘や、ゲティスバーグ戦のクライマックスでミードがピケットチャージを跳ね返した戦闘は、塹壕戦の威力を発揮した成功事例だったのでは…

戦術の変化

リンカーンが政治的に必要としたものが現場的に得られなかったことについては、この戦争が戦術の変化の時期に当っていたことも関連しているように思われる。 ナポレオン戦争のように、騎兵突撃が勝者の成果を拡大し、その後の追撃戦が敗者に決定的なダメージ…

南北戦争:マクレランの誤算と評価

マクレランについては慎重居士、消極的、臆病と言ったような評価が渦巻いている。このような評価が広く流布する背景には、戦争の勝利者となった偉大な大統領リンカーンのマクレラン評価、つまり戦争が中盤に入る段階で解任されたことが大きく影響しているよ…

南北戦争:リンカーンが政治的に必要としたもの

「戦争に非ず殺人なり」をたかさわんと対戦して、南北戦争についていろいろと感じるところがあったので、思いが冷める前にいろいろと書きとめておいたメモをベースに少しまとめてみたい。 まず個人的に好きなマクレランが何故、リンカーンには評価されなかっ…